シクロクロス東京2015で「来た、観た、勝った!」
2015年 02月 08日
上手くいったのを見届けてから途中で抜けさせていただき、お台場で開催中のシクロクロス東京2015へ。
CycloCrossTokyo2015
http://www.cyclocrosstokyo.com/
なんとかエリートのレーススタートに間に合った。
シクロクロス東京の観戦は今年がはじめて。
キャノンデールの仲間が毎年、観戦&参戦しているので興味はあった。
今年はキャノンデールの契約ライダーの山本カズさんの引退レースと聞いて、顔を出さずにはいられない。
カズさんはもともとジュニア時代にシクロクロスで活躍し、MTBのクロスカントリーの世界では国内では一二位を争う存在だった。
オフシーズンにはシクロクロスでも活躍し、国内ではトップクラスの選手。
MTBのオリンピック代表は実弟の幸平選手に一方及ばず逃したが、一昨年のロードレースへの転進で周りをあっと言わせた。
もともとロードでも乗鞍ヒルクライムのチャンピオンだった実績もあり、登りの強さをいかして国内のプロカテゴリーでも活躍。まだ32歳、これからと思っていた矢先に、先日、突然の引退発表をFBで知った。
カズさんは、MTB、シクロクロス、ロードと一貫してキャノンデールの契約ライダーとして活躍してきた、まさにキャノンデールの顔。
国内のキャノンデールにはオーナー会員制のSNSがあり、カズさんがリーダーとして皆を取りまとめていた。たまに、カズさん交えてのライドイベントもあったりで、僕もMTBでの初トレイルライドでカズさんから手ほどきを受けたことがある。タイヤのグリップを意識した柔らかいペダリングや荷重移動など、ロードに乗っているだけじゃわからないテクニックは目からウロコだった。
キャノラーと呼ばれるキャノンデールの好きな僕らオーナーたちにとってカズさんは特別な存在であり、シンボルだった。
MTB、シクロクロス、ロードとオールマイティに活躍してきたカズさんの足跡を皆で追い続けてきた。
そして、今日が選手としての活動の集大成。
今シーズンのシクロクロスのレースでは絶好調で、先のシクロクロス世界選手権でもいい走りをして、このお台場のシクロクロス東京に乗り込んできたカズさん。
ライバルは招待選手の強豪外人選手と国内のライバルたち、特に海外経験も豊富な竹之内選手、小坂選手あたりとは熱いデッドヒートが予想される。
冷たい雨が降りしきる中、スタート前、最前列に陣取る「弱虫ペダルシクロクロスチーム」のカズさんの気合の入った表情。
一時間のレースは10周予定だが、雨によるマッドコンディションで上位と下位の選手のタイム差がついて周回数が短縮される可能性もある。
レースは昨年優勝の一位の選手が後続をかなり引き離してぶっちぎりの様相。走りを見てもそんなに迫力やパワー感があるのではないが、淡々としてスムーズな走りはミスなく速い。
一位(米のZach McDonald選手)と二位(本場ベルギーのBen Berde選手)の差がジワジワと広がる・・・三位争いは数人による熾烈な戦いが続く。
カズさんと同じキャノンデール(米国)のベテラン、Tim Johnson選手は序盤から遅れた。
コースは前半の林道のテクニカルセクション、中盤の砂浜セクションがメインで、最後の短めの舗装路の高速セクションと、とても変化に富んでいる。
この写真の階段の段差は普通は降車して担いで超えるが、トップのZack選手は一人だけいわゆるバニーホップで毎周回超えていた。とても軽々とフロントを持ち上げて段差を越えていく。テクニックもスピードも異次元の走り。
今日ような天候だと、林道のテクニカルセクションはかなりナーバスだし、ただでさえ重たい砂浜がおそらく鉛のようにホイールやシューズに絡みついてくる。とても過酷なコースコンディション。後半はスタミナ的にもキツイはず。
ペースアップ?した竹之内選手がカズさんをジワジワと追いつめ、ついに前に出る。登りセクションを担ぎでいくカズさんに対して、竹之内選手は乗ったままクリアしていく場面で少しづつ離され始めるのが見えた。
カズさん、表情が苦しそう?万事休すか?
ところが、今日のカズさんは気合が違った。
引退レースに掛ける想いが強烈だったし、観客席もカズコールだらけで、完全にカズさんの引退レースのイベントと化していた。
ここでやらなきゃ男じゃない!
林道のテクニカルセクションで竹之内選手を捉えると、先程まで担ぎでクリアしていたセクションも漕ぎでクリアしながら、ジワジワと小坂選手との差を広げ始めた。
二位のBen選手も見える範囲で射程に捉え出した。一波乱あれば二位まで狙えるポジション。
最終回、勢い衰えることなく、笑顔を振りまきながら最後のストレートを走りすぎていくカズさん。
カズさんの引退レース、行ってよかった。
『来た、観た、勝った!』(Veni, vidi, vici)
まさにそんなレースだった。
カズさんの晴れやかでうれしさ満面の表情。
三位だけど、優勝と同じ価値があると思う。
素晴らしいリザルト。引退するには惜しい。せめてシクロクロスだけでも続けて欲しい。
司会の白戸さん、ゲストの弱虫ペダルの渡辺先生も言っていた通り、漫画を超えた出来過ぎなストーリー(笑)
MTB、シクロクロス、ロードとここまでオールマイティに乗りこなせる選手(現役トップレベルで)は国内にはいないと思う。今シーズン、カズさんの所属する「弱虫ペダル・シクロクロスチーム」をスポンサードしていて、今大会にもエンデューロの部で参加していた渡辺航先生とのコラボもさらに発展していくのかもしれない。弱虫ペダルのブランドでライディングスクールやイベントをやればジュニアから大人まで人気になるのは間違いない。
キャノンデールの仲間たちとも久しぶりに再会。
今後、キャノンデールの仲間と引退したカズさんを交えてのイベントが増えていくのかな?
ちょっと楽しみ(^^)
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